昨日、今日と母が我が家に来てくれた。
3月末日をもって会社を退職した母は、岡山の実家にしばらく帰っていた。

岡山と一言で言ってもうちの田舎はとても遠い。
高速のインターが近いので、車だと便利だが、飛行機だと空港が遠いし、新幹線だと駅が遠い。子どものときは、帰省にはいつも新幹線で大阪まで行って、そこから高速バスに乗っていた。朝に家を出ても、つくのは夕方。
東京から車で行くと、高速を3つも乗り継ぎ、10時間以上かかる。はああ・・・

「ドコでも寝れる」のが特技な母は、一人で帰省するときはいつも深夜バスを使う。
ワタシも一度体験したのだが、寝れないし狭いし、死ぬかと思った。だから絶対深夜バスは利用しない。田舎に帰るときは、全席指定ののぞみ新幹線か、飛行機と決めている。値段は倍くらい違うけど、移動は早く快適に、がワタシのモットーだ。

今回も、深夜バスで行ったのかと思ったら、さらにパワフルな方法を思いついたうちの母。
「青春18切符」を使い、なんと在来線を乗り継いで、岡山まで行ったというのだ。
もう61歳なのに、青春18切符って・・・
さらに、もっと驚いたことに「ただ帰ってくるんじゃつまらないから」とその後2泊3日の一人旅をしてきたと言う。もちろんその切符を使って、福井→富山→新潟→長野→新宿経由で帰ってきたのだ。路線図で確認すると、ほとんど日本半周か?って感じ。その「青春18切符」というヤツは、指定席なし、特急なし、在来線なら一定料金でのり放題というもの。岡山から福井まで2000円で行けたんだ、なんて言ってフル活用してきたらしい。

そんな長い時間電車にのって、退屈しないのかなあと思いきや、山間を走る電車は最高に景色が良くて、楽しかったんだそうだ。

そして帰ってきた翌日は大安だったので、水天宮にワタシの腹帯を買いに行ってくれ、翌日はうちに来てくれた。オイオイまったく休んでないじゃん。あいかわらずタフな母である。

昨日はチビたんと3人で流山にある「おおたかの森S.C」へ。
お腹が大きくなってきたので、ワタシが着れる服を物色してると、「買ってあげるわよ」と母。でもこの年で親に洋服を買ってもらうのもなあ・・と考えていると、
「お姉ちゃんに電動自転車買ってあげたのに、あんたになんもしてあげないと不公平じゃない」と言う。たしかに電動自転車と比較すると、このシャツが12枚は買える。それならとありがたく買ってもらってしまった。

翌日はビバホームへ花を買いに。今回母に来てもらったのはコレが目的だった。
春になり、花を玄関に飾りたいのだが、花の知識がまったくないワタクシ。園芸暦30年以上のベテランの母に手伝ってもらおうというわけ。

しかし、高い肥料をぼんぼんかごに入れること。
「お母さん、こんなに肥料入れなきゃダメなの?もったいないよ・・・」
「あんたね、花は肥料食いなんだよ、たくさん栄養あげないと綺麗に咲かないよ」

うーいくらになるんだろう・・と思っていると、
「買ってあげるから、大丈夫よ!!」と母。しかもワタシが欲しがっていたアジサイまでかごに入れる。
来てもらって、植木の手入れまでしてもらって、お金まで払わせるのはさすがに心苦しい・・・と一応、半分弱くらいは払った。

そしたら「このお金でチビたんにおもちゃ買ってあげるわ」と、前から欲しかったお絵かきボードを買ってくれたのだ。

・・・・いやはや脱帽。
ワタシなら、自分が旅行に行くのに、ビジネスクラスにのったとしても、チビたんやヒメタのためにここまで散財しないだろう。
自分の旅行は日本半周を在来線でするようなつつましい生活なのに、この娘達に対する使いっぷりのよさは何?

家に帰ると、よせ植えから、草取りから、植え替えやら全部やってくれた。
ただでさえ、うちにいる間はチビたんの相手をしてくれて、疲れると思うんだけど、
「全然へっちゃら」と言う。
しかも夕食を食べて帰れば?というワタシの申し出をきっぱり断り、電車で夕方帰っていった。

・・・・強い。母は強い。体力といい、気力といい、戦後生まれなのに、戦火をくぐり抜けてきた人並にたくましい。どう見てもワタシより元気そうだ。

父がなくなってから20年、働いてくれた母。仕事を退職し、これから何をしようか、悩んでる気持ちもあるみたいだけど、あれだけパワフルなら大丈夫だ。
きっと一人でふらふらいろんなところに旅行に行ったり、花をいじったりするんだろうな。なんだか妙に安心してしまった。

ヒメタを出産するときはしばらくウチに来てもらうことになっている。
公園で超ハッスルして遊んでるおばあちゃんがいたら、たぶんうちの母ですから・・・